【晩夏の空 走る飛行機と 泣く娘っ子】
空港に早めに着いて、暇なので先立つ飛行機でも眺めようと屋上に出た。
松山空港の屋上は、いつも様々な人が飛行機を眺めたり外の空気を吸ってリラックスしたりしている。
私はこの空間が好きだ。街と街を繋ぐ玄関口の、人生と人生の交差点の様な気がして。
はしゃぐ子供たちに、老夫婦。屋上でも携帯を手放せない若者グループ。しかしながら、目前に控えた空の旅に、皆心なしか一様に浮き足立っている。
私の近くに老夫婦と、孫娘がいた。 飛行機飛ぶね〜と祖父らしき方が娘を抱きながら話しかけているが、飛行機が飛び立つ前の準備走行を始めた時。いきなり堰を切ったように泣き出す彼女。
それからも、今度行こうね〜アレに乗ろうね〜と祖母らしき方も話しかけるのだが、全然泣き止まない。ぐずりながらなにかを繰り返し喋っているが聞き取れない。 そして、あっという間に空の彼方へ去る飛行機。
一体彼女に何があったのか。ただ飛行機の音が大き過ぎて怖くなったのか、それとも大事な人を見送りに来たのか。 あるいはどちらもなのか。いずれにせよ、彼女の大きな不安や悲しみを感じて、それを打ち消す喜びの時間がやって来ることを祈った。
色々なドラマが存在する交差点を後にして、大阪へ。 明日は朝から観劇。早めに寝ます。