舞台俳優から児童支援員になった男の話
ども!海渡です。
ずっと、バイトをしながら舞台俳優として13年活動していましたが、今年からmerry attic Kukunaという埼玉にある民間の学童施設で、スタッフリーダー(通称コアメンバー、略してコアメン)としての生活を送っています。
人生で初めての定職に就き、早くも8か月が経ち、現在の環境にも少しずつ慣れてきたところで、振り返るタイミングでもあるのかなと思い、筆を進めています。
どうぞ、興味あると感じた方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。
【そもそもなんで俳優しないの?】
ファンの方から「もう、お芝居しないの?」「俳優・舞台人の海渡さんがまた見たい」という、本当に有難い言葉をかけて頂くこともあります。
私がなぜ俳優活動をメインの仕事として行うのを休止したかは、こちらの記事にも書いてあるので、よかったら読んでください。
また、昨年(2019)の11月の段階で、様々な情報からコロナウィルスが猛威を振るうということを察知していた私は、「これは(俳優業では)生きていかれないな」と確信していたこともあり、しばらく休止を決意しました。
しかしながら、やはり習慣というか、培ってきたものの力というのは恐ろしく、トレーニング(体力、精神共に)を継続して行うのをやめることがどうしてもできません。
私にとって、舞台に上がる機会があるかどうかに関わらず、やらなくては気持ちが悪いのです。
明らかに自分の一部が欠落しているような錯覚を起こすのです。
今も学童での業務が終わった後、一時間は必ず身体トレーニングを行っています。
過去に取材を受けた自身の記事を見つけたら、それにも納得しました(笑)
「絶対妥協しない」。
これは舞台に立つ上での私の信念であり、師からの教えの一つでした。
今後、また舞台や表現活動を本格的に再開するチャンスに恵まれた時のためにも、トレーニングはこのまま継続しておこうと思います。
今回、埼玉という場所に移動したことにも理由があります。
愛媛ではできないこと。
それは「俳優として、さらなる技術向上のための出会い」を経験するということ。
まだまだ関東という場所でしか築けない「芸術の世界を生きる人、モノ、場所との出会いの機会」。
これを求めて、生活の拠点を移したというのが大きいです。
【なぜ、児童支援員なの?】
俳優としての活動休止の決断をしたのはいいけれど、どうやって生きてくんだ?と。いろいろな職を探してみるも。
そもそも俳優としての実績しか誇れるもののない自分が、何をできるのだろう?どんな選択をすれば世に少しでも貢献できるのだろう?と頭を抱えていました。また、自身が「本当にやりたい!」と思える仕事であるかどうかも。
そんな時、Facebookで一般社団法人merry attic代表の上田さんの「志のある方募集!」の記事が流れてきました。
過去に即興演劇のWSで知り合って、現在会社を興して子供たちに即興演劇を伝える活動をされている方からのシェアでした。
児童支援員、という存在さえも知らなかった私。「おお、こんな仕事もあるのか!」と。
以前から児童に向けての演劇WSを企画・実行していたり、学校周りの旅公演をする劇団に参加していた経験から、
「子供たちの成長の機会に関われるのは、非常にやりがいのあること」
「子供たちとの関わりは≪ほぼ即興演技≫の修行に近い」
という意識があったことから、上田さんとの「LINE面接」をすることを決めました。
上田さんと、仕事の話にとどまらず「自分の人生の使い方・死生観」について語り合い、馬が合ったことから、この仕事をやってみたいという決意に結び付きました。
【俳優(演劇)と児童支援員の共通点】
冒頭にも書いていますが、いきなり未経験の私が学童施設の「リーダー」としての仕事に就き、それに加えて、想定内ではあるもののコロナによる被害は日を追うごとに増す日々。
この8か月、特に初めの3か月はまさに怒涛でした。
学校の休校期間中は、毎日3~40人の子供たちの保育を朝から晩まで行います。
宿題・遊び・食事・子供間のトラブルシューティング・遊び遊び遊び・・・(笑)
それに加えて、保護者の方への連絡・子供たちの様子の共有、日々の事務作業と、毎月のイベント(学童内での工作やお菓子作り、芸術体験など)の企画、実行・・・。
心身ともに、想像以上のエネルギーが求められます。
しかしながら、私にとってはいくつかの演劇との共通点が見つけられたことから、この仕事がただ大変なものであるだけではなく、「楽しく、真にやりがいのある仕事の一つである」という認識でいられています。
ざっくり挙げると
・子供にとっても、学童に関わる大人にとっても、学校だけでは学べないことが学べる場所として機能している(成長の機会)
・お互いに深く関わること・日々のドラマ、イベントを体験することで、より他人を知り、そして自分を知る
この二つが特に大きいかと思います。
代表の上田さんの「人と人、経験との出会い、学びの場づくり」「役職・ポジションは上下関係でなく、あくまでも役割」という考え方から、
メンバー間の風通しのいい、良好な人間関係の構築だったり、
仕事に関する様々な事柄についての、経験値や年齢の垣根を超えた提案が出来たりと、
私にとって「対等な関係性のある演劇の現場の空気」と似ているなあと感じています。
また、他の記事にも書きましたが、子供たちにとって未知なる自分の才能や考え方、思考との出会いが提供できるということは、本当に尊いことだなあと痛感しています。
特に今年はコロナの影響もあり、そういった機会が著しく損なわれている(家庭によって大きく差異が出やすい)・精神的にも鬱屈としてしまいそうなニュースが多いことから、余計にそう感じているのかもしれません。
ほんの一例ですが、過去のイベントについての記事はこちらです↓
【今後については?】
先日、意向面談というものがあり、「来年はどうですか?」という話をしました。
私は即「よろしくお願いします」と返答しました。
初めから最低でも二年はやるという決意で入ったので、何の迷いもなかったのですが。
私がメンバーに加わったことで動いている演劇のプロジェクトがあることもあり、まだまだmerryの児童支援員として活動することで学べる事・演劇・演技の技術向上に繋げられることはあるなあという思いからも、継続したいと思えました。
ただ、支援員としての活動だけでなく、俳優として興味のある劇団のWSに参加したり、オンラインでできるものも含めて、作品作りを継続していくつもりです。
現在公開している朗読作品リンクはこちらです
個人チャンネルでも公開している朗読作品がいくつかありますが、
こちらの古佐小基史さんと佐藤靖朗さんが協力運営しているPlace in Our Heart Channelを盛り上げていきたいため、良かったらご視聴、是非チャンネル登録をよろしくお願いします。
長くなりましたが、ここまで読んで頂き本当に感謝です。
なんと3078字も書いていたんですね(笑)びっくりです。
皆さんにとって少しでも、面白い・興味深いと感じてもらえたら幸いです。
では、また。