Diversion

俳優13年⇒学童の先生2年⇒現在飲食業サラリーマン。珈琲豆焙煎人でもある宇高海渡のユルかったり熱かったりするblogです。記事の内容は随時添削する事が多いので、あなたが訪れた2.3日後には少しずつ変化しているかもしれません。ご了承下さい

今井純WS「台本のある芝居」クラスの最終日の朝に感じること

どぅも、海渡です。

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coffee✖️朝さんぽ。

ゴミ出しついでに、coffee専用のタンブラーを持って、10分くらいさんぽする。

歩きながら、色々かんがえる。

 

昨年の9月から続けてきた、今井純 台本のある芝居オンラインWSクラス。

本日クラス最終日であり、短いながらも難易度の高めなシーン発表の日。
戯曲読解からシーンを立ち上げる交流において、演技の何を軸に、根拠に、大切に捉え言葉と表情を交わすのか。

自分の13年間情熱を傾けてきた技術を、再構築・洗練させる為の半年間でした。

 

昨日も相手役の方との最終稽古をして感じたのですが…

 

やはり、オンラインの稽古だけでは限界がある部分を(個人の作業で)補完する能力って大切だな、と痛感したなあ。

 

映像の世界でも、舞台の世界でも求められる「主体的」かつ「複数の選択肢を準備、取捨選択しつつ洗練する力」を身につけるには、ワークを受けながら自発的にそのスキルに繋がる自主トレーニングに取り組む必要がある。

 

その「見えない努力」を繰り返し継続して出来るかどうか、がシーンを成立させる、より深く、興味深いものに醸成していくという成果だったり結果に繋がるのだなあって。

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私の場合でいうと、鍬田さん(HPはこちら↓)

https://kaorukuwata.com

に教わってからずっと自主トレで継続している「エフォート」(6つの面、8つの点、重さ✖️空間✖️時間)。

 

「アニマル」を利用して、役の人物の持つ固有の質感やリズム、本質を探っていくというアプローチをしたり。

クラスだけ受けていても「よく分かんない、掴めない」と思う人物の謎を、兎に角使える技術は全部使って探っていく。

 

それこそ探偵の様に。決してスマートとはいえないけど、執念深く、冷静に。

ああでもないこうでもないと、汗水垂らしながら獲得していく。

 

オンラインWSではzoomを使って取り組んでいるけれど、ただのミーティングではなく、あくまでも「演技」「芝居」「各々の問題を抱えた人間同士のリアリズムの交流」を軸に置いて利用している。

 

という前提なので、「画角に収まっていない身体も役の人物」として存在している必要があるし、顔の表情だけで芝居しようとしてしまうと、完全に「顔芸」的な、不自然なやりとりが始まってしまうし、終始表面的な、いわゆる「様々なレベルの内面の顕在化」という繊細な仕事の領域に立ち入る事なく、シーンが終わってしまう。

 

zoomというそれぞれの使う機器(カメラ)から覗く世界から、身体丸ごと演じる人物になっている俳優が交流するからこそ、オフラインとはまた違った魅力というか、映像作品的なものが出来上がる。

 

それは(zoomの様な形式の)「演技・コント系YouTuber」「お笑い芸人のコント」といった作品群とは、また違った領域の作品になる可能性があるし、何よりコロナ禍において「継続的な演技術の鍛錬」という趣旨は達成出来たかなと感じている。

 

また、先週のクラスであらためて感じた、「力を抜く、盲目的な集中力(ゾーンに入る、みたいな)ではなく、メタ認知している自分と役として居る自分をバランス取りながら相手役と交流すること」の大切さ。

 

そして、それが表現の世界において効果を発揮するのは、時間を掛けて蓄積された、「質を伴った」台本の世界、登場人物達の関係性、演じる役を理解する為のインプットがあってこそなんだなーと。

 

よく「全てを削ぎ落として、ただその場に在る、生きる」状態である事がベストだという言われ方をするのだけど。

 

「削ぎ落とす、捨てる」ものが余りにも少ない、そもそも積み重ねる技術がない俳優がそれをやっても、ただのリラックスした「その俳優自身」が覚えたセリフを喋っておる、という状況が生まれるだけでしかない。

 

まずは戯曲読解・研究を積み重ねて、積み重ねて、本番前にはそれらを全て「傍に置いておく、忘れておく」だけ。

 

そうすると、自然と相手と交流しているときに、ふとその蓄積したインプットが、相手役への態度であったり、言葉と言葉の間にある微細な感情の変化、アウトプットだったりに影響していることが分かる。

そして、何よりその「今までになかったプロセス、その発見」を楽しめるし、より演じているシーンを興味深いものにする事に貢献できる。

 

今日のシーン発表にも、そんな気づきや、集積を反映できれば良いなあと思っている。

 

今回はここまで!

 

では、また。