Diversion

俳優13年⇒学童の先生2年⇒現在飲食業サラリーマン。珈琲豆焙煎人でもある宇高海渡のユルかったり熱かったりするblogです。記事の内容は随時添削する事が多いので、あなたが訪れた2.3日後には少しずつ変化しているかもしれません。ご了承下さい

鋭く、柔らかく。

どうも、海渡です。

 

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日々の公演で、毎回発見があり、毎回その瞬間に生きる!にトライしています。

 

大体の道筋はもう決まっているのですが、一つの動作、一言一言の出どころ、その瞬間の心のエネルギーの大小は微妙に違っています。

 

それは共演者からいただくエネルギー、お客様からいただくエネルギーにも関係があります。

 

それらと自分のエネルギーが合算されて、非常に緊張感が増したり、いつも以上に言葉の響きが強まる瞬間があります。

 

人って、すごいね。そこに存在しているエネルギーの源なんだね、とあらためて感じる瞬間です。

 

舞台は影響を受けたり与えたりする場所なので、はたから見れば些細な事でも敏感になるものです。

 

道具の位置、人の位置、移動のルート…移り変わる表情、動作の変化。お客様の反応。

 

ただ、敏感でありつつも、柔軟に何が起こっても対応する、「その人」として。

 

演じるではなく、生きるの実践。

 

誓いのコイン、まだまだ洗練の余地はあるなあと思っています。

 

 

さあ、今日は二回公演。2回ともクオリティを上げるつもりで。やりますぞ。

【товарищ 】

【товарищ 】

どうも、海渡です。

 

終演後⇨後援会の方々との交流会。

そして…交流会が終わった後に。

 

誓いのコイン ロシア公演を共に成功させた戦友、かねやんの自宅へ相棒と一緒にお邪魔した。

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今は劇場を離れて、山近くの一軒家に悠々自適な生活を送っている彼。会っていなかった間のお互いの人生の道程を、薪ストーブの温もりを味わいながら共有した。

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彼との共通点は「宇宙視点」。

 


どんなに自分や他人にとって大変な事件や出来事が起こったとしても、それは宇宙の、地球の歴史からすればとってもちっぽけな事である、ということ。身が捩れるような恋愛も、戦争も、仕事も、社会問題も、生死も。

 

 

ただ、だからといって開き直ったり卑屈になったり、やけっぱちになるのでなく。

 


どうやって日々を丁寧に生き、その出来事一つ一つを楽しんで乗り越えていくか。苦しいことばかりを自分に課すだけが人生ではないし、楽しいことだけやっててもつまんない。バランス良くどっちも楽しめるのが一番。

今流行りの「ワークライフバランス」ってやつにも繋がる話ね(笑)

 


年齢によってなりたい姿とかイメージみたいな話はよくあるけど、年齢はあまり関係ないなあ。今ここの瞬間にどれだけ素晴らしいものに多く触れたり、それによって感性磨く事に命懸けてるかだなあ〜、その積み重ねですでになりたい自分になるようになってるし、ならなきゃやり方が間違ってる。なんて話も。

 

あと、俳優ってやっぱり、今までのキャリアとか受賞暦とかその他諸々の【贅肉】を捨てられる人が向いてるなあと思う。どこそこで学んだ、〜流では、どうのこうのは要らない。今ここの瞬間を、そういった贅肉を捨て去って生きられるか、お客様に届けるものだけに集中することが出来るかが肝要だなあと。

自己実現の為に演劇や演技を利用したがっているような人が、自分以外の人物に歩み寄り、その生き様を真摯に表現出来るかな?出来んだろと。

 

とはいえ。私は、どちらかといえば楽天家な方なので、そんなにくよくよ悩まず、ハードル高いチャレンジに対して多少不安はあるものの、どうやってクリアする!?と考えてる時間も好きだったり。

 

それが慢心や詰めの甘さに繋がることもままあるので、注意が必要ですが(笑)

 

そんな、今の私にとって人生とは、仕事とはなんぞや的な話をたくさんしました。楽しかったー。

 

どうやら彼の庭にはBBQできるスペースがあるらしいので、また楽しいイベントを計画しようと思っています。

 

さ、明日も朝公演。やるぞー!

 

#坊っちゃん劇場

#誓いのコイン

#ミュージカル

#俳優

#人生

 

 

 

 

私が身体を鍛える理由

 

どうも、海渡です。

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クレヨンインプロ「横顔に見る表情」を添えて。

 

幼少期から、身体を動かす事が大好きでした。

 

体操教室、レスリング、水泳、剣道…これがやりたい!と思った事は親にわがままを言ってやらせてもらいました。今考えると、本当に習い事はよくやってた…勉強以外のは。

 

今でも、日々本番があるなしに関わらず、フィジカルトレーニングは続けています。

 

でも、ふと考えたんです。「なんでこんなに身体を鍛える習慣が出来たんじゃろ?」と。

 

もちろん、俳優としての表現の幅を広げていく、さらにその先に行くためにやってるというのは大きいですが、もう一つ、大事な理由があります。

 

それは、身近にいる大切な人を、いつでも守れるようにしておきたいからです。

 

「まーたこいつは、綺麗事書いてらぁ!偽善者め!」と思った方、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが(笑)本気でそう思ってます。

 

というのも、親の仕事の手伝いで、中学からスキューバーダイビングをしていた時の経験から、そういう思いを抱くようになったのです。

 

ある日船を離れて、私も親父も他の人も作業のために海底へ潜っている時、ひと段落して船に戻ろうとした矢先。

 

錨が強い潮流によって浮かされ、船が最初のポイントからとんでもなく離れた位置へ流されてしまっていたのです。

 

親父や他の人は気づいておらず、私しかそのアクシデントに気づいていませんでした。

 

その時、一瞬の判断で背中に背負っていたボンベを海中に捨てて、全力で船に向かって泳ぎました。

 

かなり距離はありましたが、若さと日頃の鍛錬のお陰で船に追いつき、事無きを得ました。

 

その事件から今に至るまでも、何かしらの原因で、身近な人が倒れていたり、ケガをしたりしている時には、「私にできる事は?!」と身体が反応するようになりました。緊急度が高ければ高いほど。

 

去年の年末に、誓いのコイン稽古中、渡辺さんがケガをされた時にも「氷を早く当てて、冷やしたほうがいい!」とドクター水野さんが言われた後、即座に身体が動いていました。氷を手に入れて、患部に当てる時間を短縮するには…?足で稼ぐしかないですからね。

 

今年も、日本で災害がまた頻発しないとは限りません。

四国は特に、もしかしたら南海トラフ地震が起こるかも。

 

いざという時、周りの大切な人を守れるか、己を守れるか。

 

長距離走れない?アウト。

泳げない?アウト。

背負って歩けない?アウト…。

 

だから、私は今も身体を鍛えるのです。

 

筋肉自慢をする為にではなく、未来に身近な大切な人を守れるかが、今この一日一日に掛かっている。

 

利他の精神を持ってこそ、舞台上の表現も面白く、美しいものになるのだろうと信じていることも、大きな理由かもしれません。

 

「柳は緑 花は紅 真面目」

どうも、海渡です。

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今回は、私が孫悟空を演じる上で仏教について調べているときに出会った、禅の言葉を紹介します。

 

柳は緑 花は紅 真面目

(やなぎはみどり はなはくれない しんめんぼく)

もともとは詩人の方が生んだ言葉らしいですが、日本語の美しさを凝縮したような言葉に感じます。

 

俳句や川柳、短歌がお好きな方は、この言葉の持つ意味がすぐ理解出来るかと思います。

 

ある本の解説を引用すると

「見たままの当たり前のことを言っているのだが、人は物事のありのままの姿を正確にとらえることが難しいのである」

 

という事。

 

人には、欲求があり、社会性を持つ事が求められる為に、なかなかありのままの自分を受け止められず、その姿を本来よりもより上位に見せようとしたり、周囲に認めさせる為の損得勘定を前提とした行動を取ろうとしたりします。

 

でも、自然にはそういった現象はなく、例えば柳も花も、ただあるがままに、なんの着飾りもなく、その命をただ生きようとしているだけです。

 

そういった自然に対しても。人が勝手に、価値や意味をつけているだけである、ということ。

 

人間も、実は同じで。自分に与えられた立場や、状況、生まれ、職業、夢…千差万別ですが、それを信じ、それ以上でもそれ以下でもなく、ただその道を歩んでいく。それだけで美しく、尊いのだという事をなかなか忘れてしまいがちなような気がします。

 

私自身も、世の中に、周囲に溢れる様々なノイズに振り回されそうになることもありますが、そういった時にこそ、この言葉を思い出して自分を律するようにしたいと思います。

劇場俳優、という生活

ドゥモ、海渡です。

 

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お客様と記念撮影。ロビーでのお見送りの時間は、お客様の声を、帰り際の様子をダイレクトに受け取れる、貴重な時間です。

 

しばらくインフルエンザの警報発令により自粛せざるを得ない状況で、本当に残念です。その分、本番のエネルギーをより洗練させ、お客様の満足を得られる舞台づくりに邁進したいと思います。

 

 

劇場で、半年、あるいは一年(今回は3ヶ月ですが)、一つの作品と向き合うということ。

 

これはとても凄い体験だなあと改めて感じます。

 

日を追うごとに、自分が役に近づけるヒントを得て、稽古では得られなかったシンクロ感を得られたり、それが客席に伝播していくのを感じられたりするので。とても俳優にとってはやり甲斐のある日々です。これが俳優としての醍醐味だなと。

 

現実的な面で言えば、演技をしてお金がいただける、バイトをしなくても贅沢しなければ生きていける環境って、実は国内には他にはほとんど無いです。

 

生きて行けるとしたら、俳優自身で他に副業をしていて、そちらの収入が頼りになっている場合が多いかも。あるいはパトロンの方がいたり…(笑)

 

純粋に、演劇の仕事だけの収入というのはとても少ないと言わざるを得ないのが現実です。

 

坊っちゃん劇場はステージ給で、一月の公演数に応じて給料が変わるものの、安定した給料が頂けます。

 

公演終了後の時間は、イベントのお仕事(主に営業)が無い限りはフリーなので、自分のやりたい事に時間を使えます。

 

まさに、職業俳優としての生活を送ることが出来ます。

 

しかし、一つの作品に出演し続ける為の「根気」だったり、「楽しむ為の技術」を知らない人にとっては、苦痛な時間になりそうな環境でもありますね(笑)

 

どうしても、人間は楽な方に流れる生き物なので、自分を律することが出来ないこともあります。

 

具体的には、自分の欲求に従って、使い慣れている方法で喋る、動く、声色を使う…考える。というかもう、生活全般です(笑)

 

日々の本番に向き合うに当たって、それをどうやって「防ぎ、律する」事が出来るようになれるか。それが本当に素敵な俳優になる道に繋がると私は信じています。

それが出来なければ俳優には向いてないとさえ思います。

 

そういう日々の積み重ねが、必ず本番には出ます。

 

楽しいこと、は楽をすることとはイコールでは無いんですよね。

 

楽しいことがしたければ、時には辛い体験、苦しい事を乗り越えて行かなければ、その先には到達出来ないんです。

俳優とは、ほぼオリンピックを目指すアスリートに近い精神力、体力を必要とする職業ですから。

 

それが、この職業の面白さでもあります。

 

そういったことを体現出来るように、これからも私は自分に厳しく、他人には出来るだけ優しくいようと思います(笑)

 

 

 

 

 

この世は「意識」で出来ている×人生は選択の連続

どうも、海渡です。

 

いやはや、これまた重めなタイトルになってしまい、もはやこんな記事しか書けなくなってしまったのか?と思うばかり。

 

大体blogのタイトル決める時ってインスピレーションなので、よくよく考えてないんですよ。

 

だから、普段からもちっとお茶目な、というか軽い部分も使えるといいかなと思ったり。

 

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今回のインプロで描いたのはパラレルワールド

 

あくまでも夢の中に出てきたイメージに過ぎないのですが、僕にとってはとっても説得力のある景色だったので、絵に残しておきたくなりました。

 

皆さんもどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、この世は生きとし生けるものの「意識」で出来ています。これは一つの真理であり、人生の捉え方です。

 

人間が圧倒的に地球を支配するようになってから、そのルールは強力なものとなりました。

 

人々の思いの強さが増せば増すほど、その思い・願いに沿った物事が進むようになっています。

これはとても危険なことでもあります。

多勢に無勢、少数派に属するものは淘汰されてしまいやすい世の中でもあるということを意味するからです。

 

今こうして私が呑気にblogを書いている間にも、あなたが読んでくれている今この瞬間にも、沢山の命が奪われたり、亡くなったりしています。その分、沢山の命が産まれてもいますが、その子達が幸せな生を全うできるとは限りません。

 

何が言いたいかというと、いくら物質的豊かさを手に入れたり、感じたりできる環境に居たとしても、それは夢まぼろしに過ぎないという事です。

それもまた、過去の人々の強い願い、思いと、少しの自身の思いと行動によって実現したから、今ここにいる自分が手に入れている。

 

そして、それは自身の人生を終えるまでの間も同じであるという事。

つまり、皆それぞれに「自分はこんな人生にしたい、こんな影響を与えたい、こんな風に命を使いたい」という思いがあり、その思いに従って生きているという事。

 

例えば、なぜ人間が時には倫理や道徳に反した行動を取ってしまうのか。ドラマの様なホントの話が起こりうるのか。

それは、人間が本質的に「思い・意識」を行動原理にしているから。

 

それは、それまでの経験則や、幼少期に深層意識に形成された強烈な「行動の源」となるものが核となっているからです。

三つ子の魂百まで、なんて諺もありますから、一つの真理かと思います。

 

そんな思いのせめぎ合いで成り立っている世の中ですから、それぞれの人の選択肢も無限に広がっています。

 

あの時、こうしていたら。あの時、あれを言わなかったら、伝えていれば…。と思うことがあります。

後悔とかではなくて、本当に疑問に思えるほど、なぜその選択をしたのか??と自分でも分からない事も。

 

それくらい、「見えないもの」に突き動かされてしまうのが、人間という生き物です。

 

私自身、日常から、無意識に意識を向けるトレーニングを実践していますが、回数を重ねれば重ねるほど、日々変化するものであり、「正解」がないものであり、「整えたり、制御したりするのは不可能である」ことが実感できます。

 

だからこそ、続けるのだけどね。

私自身がこの生を終えるまでにこの世に残したいものを実現するために。

 

 

 

研ぎ澄まされた感覚×抜く時は抜く

どうも、海渡です

 

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最近らくがきが楽しくて、ぼんやりしてるときについ描きたくなります。

 

本番が始まって10日が経とうとしている。

 

メンバーの皆さんも大分段取りが身体に入り、より、演技に集中しやすくなってきた様子。

 

ただ、油断するとそれがかえって注意散漫になる原因になり得ることも。

 

ロングラン公演の落とし穴ですね。

 

わたしはその為に、お客様の目の前に登場する前にある事をしています。

 

日々のルーティンワークに、「ある作業」を組み込む事によって、役を生きるための研ぎ澄まされた集中、日常の身体では使わないし使えない機能を使いやすい状態にしています。

 

もちろん日によって体調も変化するし、意識が散漫がちな時もありますが、どんな時でもベストを尽くしたい。

その為には、やはり無駄な時間を無くし、「今ここ」をいかに大事にできるかだなーと、感じます。

 

なので、舞台が終わった後は、ものすごい眠気に襲われます。

 

身体的な疲れよりも、精神的なエネルギーを放出しているので、内側からヘトヘトになるんですね。

 

たまに朝公演が終わった後、大体14時からフリーな感じになりますが、そこから昼寝してしまったりします。夜の12時まで…(笑)

 

そういう時に、仲間の大切さを感じます。食事やお酒を囲んでお話したり、ゲームしたりする時間。

20歳前半の頃は「そんなことしなくても自立できらぁ!」と思い、そういう場に参加する事を避けていました。というか、苦手だったんです(笑)あまり、人の愚痴を聞いたり、自分が話したりするのが。

全てが、その場にいない人に迷惑かけるような気がして。あと、単純に陰でこそこそその場にいない他人の話をするのが根本的に嫌いなんですね。我慢ならない場合を除いて。

 

真面目過ぎると昔からよく言われるので、少しずつ、石ころが磨かれて丸くなるように、私自身も丸くなるように心掛けたい。信念は曲げられないけど。

 

抜くときにはすっかり抜く。メリハリつける。これが、本番で力を発揮するコツだ。