夢から夢へ
どうも、海渡です。
今回は、劇場生活での本番以外の時間の使い方の一部をご紹介。
劇場の舞台裏には楽屋がありますが、楽屋から二階に上がる階段を上ると、大・小のリハーサルルームが各一部屋あります。
新作の仕込み期間は衣装小道具を保管・試着するために、本公演期間中は前作で使って、また日の目を浴びそうな小道具・衣装らを保管したり、洗濯した衣装を干したり、本番前のアップ、イベントの為の稽古など、様々な用途で使われています。
今回、私は戯曲を読む会を2人の女優と結成して、ある台本を読解、立ち稽古を進めています。
これは、誓いのコインとは別の作品に触れて、俳優としての感性を磨く事で、本公演に良い刺激になるスパイスとなるような時間を作る事が目的です。いつか、上演したい作品でもあるけれど、今回はパスしました。
なぜなら誓いのコインは3ヶ月で公演が終わってしまう為、とてもじゃ無いけどスケジュールがタイト過ぎて、上演は無理!(笑)
扱う台本は「clean skins」。この作品は私のリアリズムを追求する好奇心を増幅させてくれた作品であり、過去に新国立劇場で上演された作品でもあります。
イギリスが舞台。家族・人種差別・宗教批判・矛盾した人生観など…何度読んでも表情が変わるし、読み手の想像力や感性が育てば育つほどより深くイメージが広がる不思議な作品なのです。
保 可南、小林加奈という優れた2人の同世代の女優と私の3人で、どれくらい戯曲の掘り下げが出来るのか、自分1人ではイメージ出来なかった部分をより発掘したいなあと。本公演に支障が出ないように(笑)週一回のペースで行っています。
実際に、他の戯曲に触れる事で、本公演の稽古では気づかなかったロシア人捕虜Сергейや他の人物の「感情の振り幅」に気づくことがあり、「これしかない」と思っていた言葉や動作、ダンスの音色も別の可能性を発見出来ています。
虚構という「夢」から別の「夢」へ行ったり来たり。多少身体に負担は掛かるものの、心を育てる為の良い時間になっています。
自分や他者の、「演じる時の特徴・傾向・癖」を捉えて、何が良い作用、あるいは良くない作用を及ぼしているのかを検証して、改善すること。そういった時間は必ず舞台上で活かせるということを実感しています。
誓いのコインもあと約1カ月。この期間でお互いにどれほどの成長ができるか、楽しみでワクワクしています。