葛藤をバネに
どうも、海渡です。
これはレスパスシティ裏にある、花畑。
今は真っ青ですが、これが春になると一面黄色になります。その景色は壮観で、劇場に来られるお客様から二重に感動したよ〜なんて言葉も頂きます。
さて。
誓いのコイン、多くの方に好評頂いているものの、私の中ではまだまだだなあと思う日々です。
特に、学生のお客様が多く来られる公演の時。
あちらこちらにスヤスヤと安らかに眠っておられるお客様が…
私が尊敬しているある演出家がこんなことを言っておりました。
「公演中に寝るお客様がいるだろう?あれはね、寝たくて寝ているのではなくて、自分の心を守る為に〈防御〉しているのだ。つまらなくてもお金を払って観に来たから最後まで鑑賞する事を決めつつも、やはり面白くないから眠るしかない。あるいは途中で帰れない事情があったりね。寝ているお客様がいたら、失礼な人だと思うのはむしろ慢心で、あなた方の芝居が面白くないですよということの表れなのだ。なぜなら、あなた方のつまらない表現で、お客さんの心を浄化するどころか傷つけているのだから。」
その言葉を終演後のダウンの時間に思い出す。
眠らせてしまった学生諸君に申し訳ないなあと。
私が高校2年の時に、同じ体験をした。
初めての劇場、初めてのミュージカルの舞台で最初は期待していたが、大変つまらなかったので、頭の30分しか記憶がない。
しかも、ミュージカルはダサい、つまらないものだというトラウマに近い記憶がいまだに残っている。
私が経験したこのしんどさを、彼らには味あわせたくないし、むしろそれなりの面白さをもった舞台なのだと感じていただきたい。
その為にも、日々気を抜く事なく公演の前後の時間を有効に使う。公演中に集中を切らさず、お客様の感動の為に「役を生きる」に徹する必要がある。
今の若い人たちは、私達が学生だった頃よりも情報を「選べる幅が広がっている」ので、審美眼が特定の範囲において(各々の好みによって)磨かれている/自分の感性に合わないものはすぐに捨てる、という傾向がある。ように感じる。
よって、私達が彼らにとって「本当にすごい!カッコいい!可愛い!次の場面はどうなる?なぜそんなことが出来るのか?」とさまざまな感動出来るポイントを提供できなければ、すぐに興味を失ってしまう。
それは生半可な努力、準備では実現出来ない。だから毎回が真剣勝負だ。
当たり前だが、その当たり前がなかなか難しいんだ。だって人間だもの(笑)
ロングランの面白さ・怖さを改めて感じる日常。身体コントロールだったり、様々な芸術・体験を通して心の栄養を蓄えるといった研鑽を積み続ける事が、難しい当たり前を実現出来るポイントだ。