Diversion

俳優13年⇒学童の先生2年⇒現在飲食業サラリーマン。珈琲豆焙煎人でもある宇高海渡のユルかったり熱かったりするblogです。記事の内容は随時添削する事が多いので、あなたが訪れた2.3日後には少しずつ変化しているかもしれません。ご了承下さい

フィードバック(学校公演の経験)

どうも、海渡です。

 

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長くなってしまいそうですが、約一年、学校公演に携わってみての振り返りをしてみたいとおもいます。

 

この仕事をする前の私。ベラルーシ留学から帰って3ヶ月。ひたすらに表現への情熱を燃やして、今の自分にどんな現場であればもっと上のステージに行けるのか、何が必要なのか。将来実現する事とのつながりも踏まえて考えていました。

 

今回学校公演のチームに入ることを決意したのは、

 

・ただ演技をするだけでなく、大小道具、音響、照明の仕込み、操作、バラシを7名で全て行う。

 

・先方からのオファーで、主役を演じる事が前提であった。

 

・小学校を対象とした旅公演である。

 

この3点でした。

 

旅公演の経験はほぼ無いと言っていいのですが、大体想像はつきます。

朝早い(寝られない)、演出不在、移動時間長い、その他も色々ありますが、特にキツイ条件といえば、この三拍子でしょう。

 

劇場の往復しか経験のない私にとっては、この生活は未知の世界。

この健康面で言えば最悪ともいえる状況で、どれだけ能力発揮出来るか。チャレンジしてみたいと思ったのですね。

後は、旅公演って(規模にもよりますが)大体使う道具が簡素化されているので、今後自分でもチームを立ち上げた時、最低限のセットを作り上げるなら…といういい参考になると感じたから。

 

3時間という短時間で全てのセッティングを完了。終演後、また同じ3時間でバラシを完了するというのはとてもハードでしたが、ではその為にはどう動けばいいのか?を徹底的に考えると、案外出来るもんだなあと。環境に適応する、というのには自分が変わらねばならんので、それ相応の苦労はありますが、実現可能になるとそれが自信に変わります。

 

後、移動時間にいかに無駄を省くか、にもチャレンジ。何時間も移動している間、仮眠以外に何をするか。今後役立ちそうな情報をとにかくインプットし、それをいかに日々の公演で(使えるとこだけ)アウトプットできるか。公演スタートから最後の公演までを比較すると、面白いくらい変化に富んだものになっていきました。

 

そして、主役(軸)を担うという事。

この経験が私には無かったので、今回長期に渡って主役を演じる事ができた事は、とても大きな経験値になりました。

主役に必要なスキル。それはグッドネイチャーであること。

お客さんに何かを与える、その為に頑張るのではなく、「良い時間を一緒につくる」存在であること。

 

お客様に好いてもらえる、全てでは無かったにしても、演じているその存在に同調、共感して頂けることがなによりも大事なんだということ。それが軸を生きるという事なのだと、ハッキリと実感を伴ってわかった事が収穫でした。

 

最後に、小学校が対象であること。

小さなお客さんにとって、私たちの公演が、初めての演劇体験になる事が多分にある、そして実際にそうであった事。

 

彼らに少しでも「演劇ってすごい!面白い!やってみたい!」と感じてもらいたい。そんな気持ちが強くあったから、今回の仕事はどんなしんどさがあっても最後までやれるなあと思えたのです。

 

わたしはそれを演技の深さで感じさせたいと思っていました。

それが100%上手くいったとは正直言えませんが、とにかく日々、それを手を抜くことなくやり続けました。

そんな思いがしっかり伝わったなあ、と分かる公演もあったので、それで良かったのだと思います。

 

子供たちの反応があまりにも正直なので、ヒヤヒヤする場面もありましたが(笑)

彼らのおかげで、自分の俳優としてのスキルを磨かせてもらったんだと強く感じています。

 

やっぱ長いので、続く。(笑)