フィードバック(チームとリーダーシップ)
どうも、海渡です。
あらためて、学校公演に携わってみての感想と学びについて書いてみます。
最初に、前回の記事に「演出不在の環境」と書いてたことを詳しく掘ってみます。
旅公演に限らず、ロングラン公演において、演出が公演期間中ずっと張り付きで公演を観ていて、毎回フィードバックを行うことは少ないかもしれません。
稽古期間中、ゲネプロ、初演以降はチームから離れて、別の案件に携わる場合が多いです。
今回もそんな具合で、演出は同行せず、チーム内で稽古期間中に築いた、あるいは過去の公演時に築いた演出のプランを参考にしながら洗練を図る。
ただ。これが一番ストレスの原因かと思われるのですが、演出がおらず、俳優だけのチームで洗練させるのはハッキリ言って「無理がある」ということが分かりました。
演出の言葉や表現を、完全に客観的な立場で見られない。他人のフィルターを通している/過去の出演者向けにつけられた演出をリサイクルしようとしている為に、話し合いがスムーズでなくなる事が多くなる→だんだんその話し合いが煩わしくなるという流れになってしまう。
やはり、演出って大事な存在。そして、演出不在の場合において、クォリティを上げる為には、ちゃんと台本が読めて、演技術の勉強をしている演出補、助手の方が不可欠。
また、タイトルにしたチームとリーダーシップについて。
前提として、演劇を行う上で大切なのは、心身ともに健康である事です。
なぜなら、俳優はその体現・表現でもって、人を感動させるという仕事だからです。
身体的負傷はもちろん、精神面においても「健康である」ことが大切です。
そして、その心身共に健康でありながら、クライアントの期待に沿うものを提供できるようサポートするのが、リーダーの仕事であると。
また、一人一人の魅力、持ち味、潜在能力を発揮できるようなチームワークを形成するのも、仕事の1つでしょう。
では、その為に何が必要なのか。
「否定文を使う事をやめて、その全てをポジティブに変えること」です。
人間誰しも認められたい、褒められたいと思っています。私はここに居ていい、存在価値があるんだと。
なので、否定的な表現で物事を伝えられたら、どんなにメンタルが強い方でも落ち込んでいきます。
そして、それは舞台上の表現にも如実に表れます。
それが本人の良いプレッシャーとなり、上手く行く場合もありますが、非常に稀です。
大体の人が、こうすればもっと良くなるかな、こうしてみるのはどう?良いね!とポジティブに考える→行動する→成功!
という前向きなエネルギーを持っている方が、様々なタスクをこなす上で上手くいきやすいものです。
自信過剰はダメですけど(笑)+時と場合によっては、「ムチ」も必要ですけどね。そのムチが明らかに理不尽であったり、効果的でないものであれば、それはやがて「反発心」を生み、「不信」の元になります。
この点は、自分自身でチームワークを形成する必要がある場合に、とても良い参考になると思います。
チームというのは、大なり小なり、不満や改善点が出てくるものです。
そういった時に、「何に重きを置くか」
「具体的な対策を前向きに捉え、改善できるか」でチームのモチベーションを上げ、良い仕事がしやすい環境を整えられるように思います。
いつも心に余裕を持ち、慈愛の意識を持つこと。日々の当たり前に感謝しながら生きること。他人も自分と同じ人間であり、日々幸せに生きたいと考えていることを忘れないこと。利他の精神を忘れないこと。
それが軸にあれば、どんな仕事でも、それが本当に素晴らしい内容であれば人は「仕方ないなあ、やってやろう」と付いてきてくれると思います。
他にもたくさんありますが、大きく感じたのはこれくらいかも。
この学びを次に活かして、また新たな気づきを増やし、己を磨き、技を磨いて、俳優としてみなさんに喜んで頂ける作品作りに邁進します。