Diversion

俳優13年⇒学童の先生2年⇒現在飲食業サラリーマン。珈琲豆焙煎人でもある宇高海渡のユルかったり熱かったりするblogです。記事の内容は随時添削する事が多いので、あなたが訪れた2.3日後には少しずつ変化しているかもしれません。ご了承下さい

私の中の色々な私

ビリー・ミリガンという犯罪者がいた。

 

彼は何人もの女子大生をレイプし、金品を奪って捨てるという最悪の犯罪を繰り返した容疑で逮捕された。

 

しかし、彼との取り調べを進めるうちに奇妙な事に気がつく。

 

彼は突然宙をぼーっと見つめたかと思えば、先程まで話していた彼とは全く違う仕草、立ち居振る舞いをするようになっている。取り調べの度に、その振る舞いは変化し、そのどれもが演技とは思えない程の一貫性、真実味を帯びている。

 

彼は多重人格者であり、犯罪を犯した人格や温和な性格の人格が混在している。

十何人もの人格があり、灯の当たる「スポット」に立ったものの人格が表に現れるようになっている。アーサーという人格が「スポット」に立つものを決定しているという。

 

彼はその後の経過観察及び報告で、自身を止むを得ずコントロール出来なかったという論証を得た事により、無罪となった。

(彼の多重人格を引き起こした要因は、父から受けた虐待であった)

 

被害者女性、その家族の事を考えると、居た堪れない気持ちになる。

 

が…どうだろうか?視点を変えてみて、私達もそんな風に「多面性をもった人格」でないと言い切れるか?

 

あくまでも一人称で生きてはいるが、その人格、出来事に対する反応、問題解決の選択肢、思考、思想…など。他者に影響を受けながら生きる私達は少しずつ、人格が変わりながら生きる動物である。

正確には、変えながら(適応しながら)

生きている。

 

過去の日記など見てみると一目瞭然だが、今の自分には考えつかない事を考えている時もあれば、今の自分には違った捉え方の出来る事を、狭い見識で考えている時期などもある。

 

しかし、その全てが今の自分を作り出しているし、未来の自分にも影響を及ぼす。

 

大人になるという事は、面白い。

今まで出来なかったことが出来るようになっている。忘れ去った記憶も、何かの引き金があれば思い起こされる。

子供の時には分からなかった深い感情にアプローチ出来るようになる。

 

ただ、忘れてはいけない本質的なものほど、ついつい忘れがちになるので、律する必要があるが。

 

他者(地球上の全ての生物、自然に)感謝すること。

これだけでも、なかなか現代を生きる私達には難しいテーマかもしれない。